小さな図書館のものがたり

旧津幡町立図書館の2005年以前の記録です

「センス・オブ・ワンダーの図書館」と呼ばれていた旧津幡町立図書館。2001-2005年4月30日までの4年間、そこから発信していた日々の記録「ひと言・人・こと」を別サイトで再現。そこでは言い足りなかった記憶の記録が「小さな図書館のものがたり」です。経緯は初回記事にあります。

「えほんのへや」誕生!!

『ひと言・人・こと』は小さな図書館の日々を文字で記録したものですが、実は、とっておき!の映像記録があります。図書館界で知る人ぞ知る!あの「ちばおさむ」さんが、残してくださった貴重な記録です。

2004年8月24日、25日の『ひと言・人・こと』にもちょっとだけ書いてありますが、
松任市立図書館長だった伊藤峻さんが急逝され、「伊藤さんを偲ぶ会」が開かれた翌日の朝、千葉さん、伊藤章子さんたちが来館された時のもの。

後年になっていただいた、千葉さん制作・編集のDVD『前田幸子さんへの贈り物』には、フィンランドの図書館訪問や偲ぶ会の様子と共に、あの時の元気いっぱいに成長した図書館の姿!・・・たしかに「図書館は成長する有機体」でした。

でも、もし、あの時の決断がなかったら、もっと違う図書館になっていたかもしれない。その後の図書館の成長を大きく左右したかもしれない。
それは、「えほんのへや」誕生のこと。。。

図書館に関わって1ヵ月たった頃でしょうか。
私はおそるおそる、開設担当の方、工事責任者にある申し出をしました。
児童用のへやと郷土資料室の間のドアを撤去し、郷土資料室を幼児たちのへやに変更してほしい、と。

ちなみに、当初の計画では、
「小さな図書館」の総面積357㎡=開架書架室(118.9)+児童のへや(19.5)+郷土資料室(18.6)+書庫(15.3)+事務・作業室(75.5)+男子更衣室(8.1)+女子更衣室(11.4)+湯沸室(11.4)+風除室(7.5)
+その他(70.9){男子トイレ(11.4)+女子トイレ(9.6)+廊下(49.9)}
その他というのは、建物の奥にNTT機械室があって関係者が随時出入りしているので共有スペースです。

既にへやの入り口には「郷土資料室」の表示板が掲げられ、壁面には郷土資料やレファレンス資料用の書架が設置され、特注の立派な机と二つの椅子が用意されていました。歴史のある町なので、そのへやの開設を心待ちにしている方々がいらっしゃることを予想してのことだったと思います。しかし、大人の方には少々我慢をしていただいて、
まずは多くの小さな子どもたちのために、18.6㎡を有効活用することがどうしても必要だと判断したのです。

内部のリフォーム工事が既に完了、引き渡し寸前の時点での変更です。今頃なにを?!余計な費用がかかるよ!と当然ながら反論され、今にもぽろりときてしまいそう、なんとも、か弱い自分がいました。。。

「児童のへや」/「郷土資料室」⇒⇒⇒「じどうのへや/えほんのへや」

今ふり返ってみると、こうして生まれた「えほんのへや」こそが、大きな図書館への出発点だったと思えるのです。

旧津幡町立図書館の記録「ひと言・人・こと」はこちらです。