小さな図書館のものがたり

旧津幡町立図書館の2005年以前の記録です

「センス・オブ・ワンダーの図書館」と呼ばれていた旧津幡町立図書館。2001-2005年4月30日までの4年間、そこから発信していた日々の記録「ひと言・人・こと」を別サイトで再現。そこでは言い足りなかった記憶の記録が「小さな図書館のものがたり」です。経緯は初回記事にあります。

オープン前夜のできごと

町の図書館!もうすぐ誕生です!とアピールして、オープンの日まで指折り数えて待っていただけるようにと、オープンまでの日数を掲示板でカウントダウン!本の配架作業、データ入力作業、サイン、さまざまな備品の調達、配置、業者さんとの交渉、見学者への応対、、、目まぐるしい3ヵ月でした。

オープン時の蔵書計画は、約8,000冊の新刊、購入本に、既存図書や寄贈図書を加えて12,000冊となっていたので、予算外の4,000冊は、1日100冊の登録を目標に自分たちで登録し、同時にコーティング(透明なフィルムカバー)作業もしなければなりませんでした。データ登録用の一台のパソコンは連日フル活動となり、休みの日も全員順番に担当者を決めて入力作業にあたって、あと3日、あと2日!そして、いよいよ明日!という夜、最後の1万2千冊目の入力が私にプレゼントされ、みんなで拍手、歓声をあげました。

オープン前夜の忘れられない思い出がもう一つ。
それは、その後9年間にわたって、こどもたちから愛されることになる「足あと」が生まれたこと。「じどうのへや」「えほんのへや」は開架室から2メートルほど廊下に出たところにあります。外へ続く通路もあるし、なんとかして子どもたちを誘導するためには、一本の線?矢印?、、、思案の末にひらめいたのが「足あと」でした。発案はしたけれど、ああでもない、こうでもないと、みごとな作品に仕上げてくれたのはスタッフたちの力です。

黄色いフィルムでかたどられたなんとも可愛い足あと。どうしようかなとためらいながら、ちょっとだけ踏み出した足先。1歩、2歩、、、足あとを辿っていくと!そこは絵本のへや。。。その前で右足と左足がちょこんと並んで立ち止まって、何があるのかなとへやの中を覗き込みたくなるような。

1996年7月9日の夜、図書館の宝物のひとつが誕生しました。

旧津幡町立図書館の記録「ひと言・人・こと」はこちらです。