小さな図書館のものがたり

旧津幡町立図書館の2005年以前の記録です

「センス・オブ・ワンダーの図書館」と呼ばれていた旧津幡町立図書館。2001-2005年4月30日までの4年間、そこから発信していた日々の記録「ひと言・人・こと」を別サイトで再現。そこでは言い足りなかった記憶の記録が「小さな図書館のものがたり」です。経緯は初回記事にあります。

《エクレシア会報》より

あれから40年が過ぎ、明るく、元気に、家業を切り盛りし、困っている人の力になりたいという頼もしい由記子さんですが、話が及ぶと、さすがに涙ぐみそうになります。

由記子さんは、和賀真也牧師に出あい、たくさんの統一教会の資料や文鮮明の御言葉集なるものなど、冷静に確認していき、明らかにメシアでないことに気づいていって、洗脳、マインドコントロールから少しずつ溶けていったそうですが、ここは、小さな町。心ない人の目や噂…若い彼女にとって、さぞつらい日々だったことでしょう。


足元から立っていられないほどの虚無感、脱力感に襲われたことは忘れられないと言います。しかし、その思いを解決していけたのは、先に脱会していた仲間たちの存在。その方たちとはいまだに良き友人で、何年も会わなくてもすぐに気持ちが分かりあえる。同じ大変な体験をもった方々と脱会した後に語り合え、ほっとできる環境、居場所を与えてくれた和賀牧師さんには本当に感謝していると言う由記子さん。

「エクレシア」は、脱会者たちがその後の人生をともに考えて、これまでに心配をかけ続けた家族と一緒に、幸せを作っていくことを考えていける場所だと思うと言います。

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由記子さんが、先日、急いで届けてくださった
《エクレシア会報 2021年10月12日第484号》

そこには、
昨年9月12日、安倍元首相が旧統一教会系列のNGO天宙平和連合(UPF)の大会に送ったビデオメッセージと弁連の公開抗議文の詳細が書かれていました。

韓鶴子総裁を始め皆様に敬意を表します」

には、私もビックリしました。

弁連(全国霊感商法対策弁護士連絡会)は、9月17日付で、安倍元首相の国会事務所と下関事務所にそれぞれ以下の公開抗議文を送ったそうです。(国会事務所からは受け取り拒否で返送、質問状には答えがない)

(長文なので、一部抜粋して紹介します)

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…家庭連合に名前を変えてからもその体質は変わりません。かつての霊感商法合同結婚式に関する批判的報道から時間が経過したことで統一教会を知る国民が減っている中で、政治家によるお墨付きは、統一教会による反社会的な活動を容易にし、また、その反社会的活動の是正を困難にするものとして悪用されます。これは、政治家にとって、かねてより政治家の皆さまが統一教会(家庭連合)と連携することがどのような社会的弊害をもたらすか考えて慎重な対応をされるようお願いしてきました。2019年9月27日には、全国会議員に向けた要望書(以下に記載)を発出しているところです。

― 要望書の趣旨 ―

1,本年(2019年)10月6日、愛知県国際展示場で開催される「2019年孝情文化祝福フェスティバル中部大会」は旧統一教会が勢力を誇示し、政界への浸透策を推進するためのものです。この会に参加したり、賛同メッセージを送るなどしないで下さい。
2,旧統一教会やその正体を隠した各種イベントに参加したり、賛同メッセージを送らないで下さい。
3,各種の公職選挙法で定める選挙に旧統一教会信者らの支援を受けないで下さい。結果として信者らの反社会的行動をあおることになります。


 ところが、本年9月12日…(中略)…安倍晋三内閣総理大臣の基調演説が発信される事態が生じました。これを統一教会が広く宣伝に使うことは必至です。上記要望書の要望を全く無視したものというほかなく、当連絡会としては深く失望し、今後の被害の拡大に強く憂慮しております。
 安倍先生が、日本国内で多くの市民に深刻な被害をもたらし、家庭崩壊、人生破壊を生じさせてきた統一教会の現教祖である韓鶴子総裁(文鮮明前教祖の未亡人)を始めとしてUPFつまり統一教会の幹部・関係者に対し、「敬意を表します」と述べたことが、今後の日本社会に深刻な悪影響をもたらすことを是非ご認識いただきたいと存じます。
 安倍先生が今後も政治家として活動される上で、統一教会やそのフロント組織と連携し、このようなイベントに協力、賛助することは決して得策ではありません。是非とも今回のような行動を繰り返されることのないよう、安倍先生の名誉のためにも慎重にお考えいただきますよう強く申し入れます。また、事の重大性に鑑み、公開抗議文として送付するとともに抗議文を公開させていただく次第です。
 あわせて、今回のUPFのWEB集会の基調演説のビデオメッセージを提供された経緯について明確なご説明をいただきますようお願いします。

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長年、霊感商法の被害者救済に取り組んでいる弁連が、
3年前には全国会議員に要望書を、
昨年は安倍元首相に公開抗議文を送ったけれど
とうとう、今年の7月8日、事件は起きてしまったのです。

共同通信世論調査によると、
「旧統一協会に関する自民党
党所属議員の説明が不足している」は89.5%にのぼる。

挨拶しただけ、名前を貸しただけ、知らなかった、という議員たち、、、
この人たちに議員の資格があるとはとうてい思えません。

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8/2のブログ「統一”協会”~元信者として」に
きょうこさんが書いてくださったコメント、

「貴重な記事だと感じました。
国民の命と穏やかな生活を守るために、今、何がいちばん必要なのか?
それを考えて下さる議員さんはどれだけいるのでしょうか?
政治はそのための機能を果たしていると言えるでしょうか?」

私もまったく同感です。

旧津幡町立図書館の記録「ひと言・人・こと」はこちらです。