小さな図書館のものがたり

旧津幡町立図書館の2005年以前の記録です

「センス・オブ・ワンダーの図書館」と呼ばれていた旧津幡町立図書館。2001-2005年4月30日までの4年間、そこから発信していた日々の記録「ひと言・人・こと」を別サイトで再現。そこでは言い足りなかった記憶の記録が「小さな図書館のものがたり」です。経緯は初回記事にあります。

夏のおはなし会☆『お寺の掲示板』より☆ぶじに香川県へ

~~ 一週間前のことですが、
忘れないように書き記しておこうと思います~~


“12日(土)2時~ 「夏のおはなし会・のまりんの紙芝居」です。絵本クラブは、ホント 久しぶりにブラックシアター《赤ずきん》を制作しました。ちょっと気分転換を兼ねて、おいでくだされば 嬉しい”

絵本クラブのえみこさんからのラインです。
なんてありがたいお誘いでしょう。
ちょうど、なんとなく気もちが沈みがちの私でした。
おかげで、無心にたのしんで、爆笑して、手が痛くなるほど拍手しました。

☆絵本クラブさんによる、熟練の手遊び、ファンタジックな「赤ずきん」、味わいのあるナレーション…小さな図書館の開館した翌年に生まれたボランティアグループさん。

☆昔話クラブさんはその翌年に誕生したボランティアグループ。当時を知るメンバーはいらっしゃいませんしたが、恒例の「昔ばなしの会の歌」から始まって、紙芝居『峯山神(もんにゃま)のひひ退治』(平成12年/2000年制作)。昔話クラブと絵本クラブが協力してできあがった手づくりの作品です。

☆そして「のまりんの紙芝居」
トレードマークの真っ赤なシャツののまりんこと野間さんは82歳。25年前からその笑顔も元気も変わりません。
「ぼくのは」「なつのおいしゃさん」(?)「あひるのおうさま」「まんまるまんま たんたかたん
合間にちょっとお茶を一服して~おっちゃんダジャレなんかもご披露して。

おはなし会が終わってから、野間さんを囲んで、ようこさん、えみこさん、じゅんこさんらと、話が弾みました。初めてお目にかかった時のこと、野間さんの素敵な赤いサンダルのこと、ご家族のこと…気になっていた《おなかかかえて笑っちゃう のまりんの紙芝居~上演ライブ10選!》(のまりんDVD制作委員会/1000円)も手に入れました。その日のお客さまの中には、このDVDのおかげで、コロナ自粛生活を切り抜けることができた~という横浜からの家族連れもいらっしゃったのでした。

DVDは「のまりんの紙芝居BOOK~ようこそ紙芝居ワールドへ」のすばらしいパンフつきです。紙芝居の面白さ、豊かさ、演じるときのポイントやアドバイス
そして、2020年に逝去された金森俊朗さんからの熱いエールも!

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暑すぎることもあって、躊躇しつつ出かけたおはなし会でした。
絵本クラブ、昔話クラブ、そして、のまりん、、、
言葉にできないほどの思い出が、次から次に溢れてきました。

帰宅して、スクラップしてある当時の新聞記事に目を通しながら、
「小さな図書館」のこと、忘れないうちに書かなくてはとあらためて思いました。
『ひと言・人・こと』の更新も、ああ、
2003年6月1日でストップしたままです。

(ここまでで、今日の午後は図書館の読書会へ)

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武田裕一さんを囲んでの「古典をたのしむ」は
初参加の方もあって七人、和気藹々の読書会でした。
元気をたっぷりいただきました。

武田さんはお寺のご住職。
お盆にちなんで…と、私たちに配ってくださったプリント2枚には
話題沸騰中らしい「お寺の掲示板大賞」応募作68フレーズ。
その中から、一つずつ選んでくださいとおっしゃいます。

「おまえも死ぬぞ」「終活することと あなたの成仏とは 無関係です」「何故か 叱る人は 少なくなり 怒る人は多くなり」「今、いのちが あなたを生きている」・・・・・

まっすぐストンと響くのや、なるほどと納得するのや、意味不明、面白いのが、
ずらり並んでいて、むずかしいねと言いながら、めいめいなんとか選びました。

「人の悪口はうそでも面白いが 自分の悪口はほんとでも腹が立つ」
「あんたが悪いと指さした 下の三本は自分を向いている」
「ばれてるぜ」
「死は、いつか来るものではなく いつでも来るものなの」(樹木希林
「やっぱり近道はないよ 真ん中の王道が近道なんだよ」(タモリ
「なるようにしかならんから 今を切にいきよ」(ブッダ

その後で配られた二冊、『お寺の掲示板』(江田智昭/2019/新潮社)『お寺の掲示板 諸法無我』(2021)には、著者の江田さんの解説がありました。

「ばれてるぜ」は本の表紙にも選ばれていました。
「あんたが~向いている」は、鳥取県の三朝町にある古刹、その自動販売機に掲げられていた標語。三本の指の向く方向に初めて気づいた私たちでした。

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最後に、本にはないけれど、武田さん自筆の掲示板。

「ありのまま 生き抜く 美しさ」(TRF / Where to begin より)

これは、親鸞聖人の「自然法爾 じねんほうに」に通ずる言葉だそうです。

加藤諦三さんの二冊の本の紹介もありました。、
『自分のための人生を生きているか「勝ち負け」で考えない心理学』
『あなたは、あなたなりに生きれば良い』

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お話を聞きながら、スウさんの言葉が浮かびました。

「あなたは、ほかの誰ともとりかえのきかない存在で、あなたはあなた個人として尊重される、と言ってくれている13条。あなたがそうであるように、それは私にも、あの人にもあの子にも、あてはまることで、だからお互いの大切さは行ったり来たり。他人のしあわせを邪魔しないかぎり、どんな人もその人らしくしあわせを追い求めて生きていっていいんだよ。そう憲法に書いてあるって、うれしいことだよね、という話を、これまでに私は何度くり返し語ってきたことでしょう。…」(きもちは、言葉をさがしている~27話~「紅茶の時間」とその周辺)より

☆☆☆

実は、台風、線状降水帯発生で、交通機関が大混乱した昨日、「第50回全国中学生テニス選手権大会」(香川県高松市)に向けて、3年生4人、1年生3人、そして校長先生、夫と斉藤さんの2名のコーチ、10人が出発しました。県大会優勝、能登での北信越大会で準優勝して、みごと三年連続の全国大会出場です。

夫からの電話によると、大混雑の新大阪駅では夫を先頭に、みんなはぐれないようしっかりついてきて新幹線に乗り換え、お弁当も手際よく買えたそうです。岡山からは予讃線、23時頃ホテル着。今日は雨の中で練習、午後から開会式。明日、9:00からいよいよ試合です。

暑い夏を乗り切って、交通機関の大トラブルにも遭遇して、みんなで無事に到着できた体験は、七人の中学生にとってきっと忘れられない思い出となることでしょう。

旧津幡町立図書館の記録「ひと言・人・こと」はこちらです。