小さな図書館のものがたり

旧津幡町立図書館の2005年以前の記録です

「センス・オブ・ワンダーの図書館」と呼ばれていた旧津幡町立図書館。2001-2005年4月30日までの4年間、そこから発信していた日々の記録「ひと言・人・こと」を別サイトで再現。そこでは言い足りなかった記憶の記録が「小さな図書館のものがたり」です。経緯は初回記事にあります。

沖縄戦を伝える声

今日の北陸中日新聞の考える広場「終戦から75年、3世代の声」に、
若者代表で登場していたのは、タレントのりゅうちえるさん。

沖縄では、慰霊の日には給食も戦時中の料理にするなど、
心だけでなく体にまで染みるように経験するのに、
上京してギャップの大きさに驚いたという。

みんな戦争のことを知らない、考えない、黙とうもしない。
昔何があったのか、どうして戦争が起きたのか、戦争のせいで
関係のない子どもたちも犠牲になったという事実を知るべきだと思う。

かわいそうで観るのがつらいけれど
火垂るの墓」や「対馬丸ーさようなら沖縄ー」
のようなアニメも見るのも一つ。戦争ってそういうもの。

2年前に父親になって、ますます戦争は人ごとじゃない。
どうしたら戦争がなくなるのか。衝突を避けるには、
いろんな人がいろんな考えを持っていることを認め合おう、と呼びかける。 
 

7/21、22日に、NHKの「戦後75年企画・私と沖縄戦」という5分程の番組があった。

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モデルの「知花くらら」さんは、祖父の戦争の体験談を聞いて、
そのひと言ひと言を心に刻み込んだという。

何十年も前のことだし、自分たち世代が経験していないけれど、
祖父が生き延びて、母、そして自分がいる。
語るべき何かがあると思えた。
祖父が経験したこと、散っていった命、、、
沖縄で起こったことを伝えたいと歌に詠んだ。

「手榴弾のなければ細き青草で首しめあひぬあしびなーの森で」
          (”あしびなー”は沖縄の言葉で”遊び庭”)
「生きてゐてすまなかったとなく祖父の背中に落ちし一片のこもれび」

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そして、「りゅうちぇる」さん。
若いし戦争なんて知らない、経験したことがないから、で終わらせず、
こういう歌があるとか、こういう映画があるとか、
それをちゃんと伝えて、継いでいくことがすごく大切だと思う、
と父親の立場で言葉をかみしめるようにして語っていた。

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《~~~何でもない人たちが自覚をしたときに、世の中は変わる。
何でもない、何も考えていないような人たち、、、
多分、この国には4割以上いる。
その人たちもものを考える方向に、私は努力をしたい。

人は考えるし、反省もする。忘れるけれど、しかし、忘れないこともある。
経験が受け継がれないというけれど、経験した人たちがいなくなっても、
お母さんがしっかりとわが子に伝えてやる。お母さんたちが立ち上がれば、
日本という国は本当に変わるだろうと信じている。~~~》

5年程前だったか、、、澤地久枝さんがNHKのインタビュー番組で
「今後、平和を守っていくためには?」の問いかけに
こんなふうに語っていらっしゃったことが思い出される。

沖縄の第一線で活躍している若いタレントたちも、今、平和を願って、
戦争の悲惨さを次の世代へ伝えようと声をあげ始めた。

 ☆『菜の花の沖縄日記』が元になった映画「ちむりぐさ」が上映中。水野スウさんのブログにとっても詳しく紹介されています☆

旧津幡町立図書館の記録「ひと言・人・こと」はこちらです。