小さな図書館のものがたり

旧津幡町立図書館の2005年以前の記録です

「センス・オブ・ワンダーの図書館」と呼ばれていた旧津幡町立図書館。2001-2005年4月30日までの4年間、そこから発信していた日々の記録「ひと言・人・こと」を別サイトで再現。そこでは言い足りなかった記憶の記録が「小さな図書館のものがたり」です。経緯は初回記事にあります。

図書館から『ダンとアン』

津幡の図書館で、『ダンとアン』(ウィルソン・ロールズー=著/和田穹男=訳)を
検索すると、ただ今、貸出し中!・・・借りているのは・・・私です。
こんな紹介文がついています。  

  「少年と犬は駆ける。月明かりの野を、凍りついた川面を。
  彼らが追ったのは森の獣だが、少年は夢を、犬たちは体内に流れる血の
  呼び声を追ってもいたのだ-。自らの少年時代の回想を軸とする物語。
  全米で40年のロングセラー。」

「犬が欲しい病」、それも”重病”にかかってしまった少年の物語です。
10歳の少年の望みは、仔犬ならなんでもいいというのではありませんでした。
特別の種類、特別の血統の犬…「洗い熊」の猟のために必要な仔犬、それも2匹。

貧しい少年にとって、仔犬を手に入れるなんて叶わぬ夢・・・
ところが、11歳のある日、釣り人たちのキャンプ跡で見つけた一冊の
スポーツ雑誌が彼の生活を一変させてしまいました。
隅っこにあった小さな文字。。。。。
…「血統書付き洗い熊狩り用レッドボーン種仔犬~一頭25ドル」…

走り使いを頼まれて10セント、
釣り人に缶のミミズを譲ったときにくれた13セント、
23セントが出発でした。

バケツ一杯のベリーを摘み取って10セント、
冬には、罠を使って、獲物を捕まえて、
袋ネズミの毛皮一枚15セント、りっぱなスカンクが25セント、
夏になると、釣り人たちにザリガニやトウモロコシを売ったり…

こうして、12歳になった時には、貯金は目標の半分を越え、
さらに一年が過ぎて、とうとう50ドル!を手にしたのです。

裸足の少年は、片道30㎞を超える道のりを歩き、二匹の仔犬を連れ帰ります。
野宿の夜にはピューマに襲われそうになりながら。
つつましく寄り添う家族、優秀な猟犬のダンとアン、洗い熊との攻防、巨木、
美しくも厳しい自然を背景に、心優しく逞しく生きる少年の冒険…
胸熱くなりながら、一気に読みました。

この本を手に取ったのは、実は『ひと言・人・こと』改訂作業のおかげです。
スマホでも読みやすいようにと、少しずつ進めている再現作業は、
まさしく過去へのタイムトラベル!!

2002年4月23日(子ども読書の日)の『ひと言・人・こと』には、
「子どもと読書~わたしの体験から」の演題で、
児童文学者のかつおきんや先生が《涙なしでは読めない感動的な児童書》として
『ダンとアン』を紹介されたことを記しましたが、私は実際には未読だったことに
気づいたのでした。今年4月、先生は逝去されましたが、
18年の年月を経て、先生のお薦めの一冊に巡りあっています。

 

旧津幡町立図書館の記録「ひと言・人・こと」はこちらです。