読書会では『宮沢賢治全集5~8巻』(ちくま文庫)の童話を読んでいます。
どなたが参加されてもいいように、図書館では各巻10冊用意してあります。
教科書に登場するよく知られた童話以外にたくさんの童話があります。
こどもだったあなた、今もこどもの心を持ち続けているあなた、
そして、こども時代を忘れてしまっっているかもしれないあなたにも、
出逢ってほしい賢治の世界です。
読書会の初めに朗読する『注文の多い料理店』の巻頭の序文は、
ため息が出るほど美しい文章です。
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わたしたちは、氷砂糖をほしいくらいもたないでも、
きれいにすきとおった風をたべ、
桃いろのうつくしい朝の日光をのむことができます。
またわたくしは、はたけや森の中で、ひどいぼろぼろのきものが、
いちばんすばらしいびろうどや羅紗や、宝石いりのきものに、
かわっているのをたびたび見ました。
わたくしは、そういうきれいなたべものやきものをすきです。
これらのわたくしのおはなしは、みんな林や野はらや鉄道線路やらで、
虹や月あかりからもらってきたのです。
(中略)
なんのことだか、わけのわからないところもあるでしょうが、
そんなところは、わたくしにもまた、わけがわからないのです。
けれども、わたくしは、これらのちいさなものがたりの幾きれかが、
おしまい、あなたのすきとおったほんとうのたべものになることを、
どんなにねがうかわかりません。
大正十二年十二月二十日 宮沢賢治
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これも、《青空文庫》にあるのです。