朝刊の社説の見出しは「鶴彬獄死の末にある戦い」でした。
「鶴彬(つるあきら)」は、隣町かほく市高松町生まれ。
〈屍のゐないニュース映画で勇ましい〉
〈万歳とあげていった行った手を大陸へおいて来た〉
〈手と足をもいだ丸太にしてかへし〉
戦争批判、社会の矛盾を鋭く突く彼の川柳は危険思想とみなされ、
治安維持法違反容疑で検挙され、29歳の若さで亡くなりました。
澤地久枝さんが力を尽くされ復刻した『鶴彬全集』(一叩人)をはじめ、
『鶴彬~反戦川柳作家』(深井一郎/機関紙出版)、
『発信する声』(澤地久枝・かもがわ出版)で紹介され、
ドキュメンタリー映画となり、演劇でも上演されています。
「学問や言論、表現に対する弾圧は、戦争への道につながる、
というのが歴史の教訓です。…日本学術会議の会員人事への
政府介入や、政府に批判的な報道や表現への圧力が続きます。
今年は戦後75年ですが、戦後でなく、むしろ戦前ではないかと
思わせる動きです。戦後制定された憲法の平和主義は、
国内外に多大な犠牲を強いた 戦争の反省に基づくものです。
戦争の惨禍を二度と繰り返さない。…」
【開戦の日】の社説を読みながら、ふと、7月6日のブログで触れた
「香港の図書館 国安法受け検閲」の記事を思い出しました。
言論統制から始まって、たった6ヵ月で香港の現状は一変しています。