小さな図書館のものがたり

旧津幡町立図書館の2005年以前の記録です

「センス・オブ・ワンダーの図書館」と呼ばれていた旧津幡町立図書館。2001-2005年4月30日までの4年間、そこから発信していた日々の記録「ひと言・人・こと」を別サイトで再現。そこでは言い足りなかった記憶の記録が「小さな図書館のものがたり」です。経緯は初回記事にあります。

格差

大雪の10日、県内各地で成人式が行われた。
皆さんの幸せそうな、華やかな振り袖姿の写真に見とれながらも、
成人式の出席率はどれほどだったのだろうかと考える。
出席しなかった人たちの理由はどんなことなのだろうか。
おそらく晴着を用意する余裕のない人たちもいるのではないか。

新刊の岩波ブックレットの小冊子『成人式とは何か』(田中治彦)は
成人式の歴史や「18歳の成人式」、子どもの貧困についても言及する。
なかなか複雑な問題があることを知った。

10日の中日新聞のコラム欄《言わねばならないこと》は、
師岡カリーマさん(アラビア語講師、文筆家)の発言だった。

生活保護を申請するのは後ろめたい」という人たちに対して、
生活保護はあなたの権利」であることを、
国として強く呼びかける必要があると主張するものだった。

生活保護は、施しでも贈り物でもない。
国民を守るために国民の金を使うこと。

国民を守る名目の莫大な防衛費、無駄遣いアベノマスク…。
なら、、、飢えと寒さから国民を守るお金も同じ発想であるべきだと。
菅さんの言う「自助…」の論理は「公助を受けるのは恥ずかしいこと」
と説教したようなものだと。

師岡さんが見たのは、
コロナ禍で困窮する人々を追ったNHKのリポートだった。
つい最近まで貧困とは無縁だった人々が、突然住居や職を失って
寒風の中、立ちつす人たちの現実が捉えられていた。
お正月休み明け、私もその番組を見た。

まさかこれほど困窮するとは思ってもいなかったので、
どこに相談すればいいのかもわからない。
コロナの影響で仕事がなくなり、なんとか今日まで暮らしていたが
これからどうしたらいいのか。
家族や親戚筋に連絡が入るのは耐え難く、迷惑をかけたくなくて、
生活保護申請はできない。
ポケットにあるのは、たった4円だけ、、、。

どんどん広がるに違いない格差を危ぶまずにはいられない。

旧津幡町立図書館の記録「ひと言・人・こと」はこちらです。