新聞にはコロナ拡大のニュース、クマ出没の記事、、、
高齢者の転倒事故も増えているらしい。
実は私も、つい先日、とある駐車場の車止めブロックに躓いてしまい、
勢いよく転倒した。自己診断では、幸いにも、いずれの骨にも異常はなさそう
なので、家の中でおとなしく回復を待っている。
自分のそそっかしさと一瞬の不注意で、日常のあれこれに支障をきたした。
「平凡」が一番だいじ!
「平凡」という言葉がすごく好きだという人がいた。
―今の世の中、当たり前のことが当たり前でない日常生活になっている中で
何が一番大事なのかっていったら、自分たちが今こうやって平凡に生活、
仕事できてる。これが一番大事なこと、こんな幸せなことはない。―
NHKプロフェッショナル~当たり前が当たり前であるために~に登場した
大森透(62歳)さん、箱根を走る路線バスの運転手さんである。
路線バスの仕事は、毎日何事もなくお客さんを目的地まで届けること。
そんな大森さんが「名物ドライバー」と呼ばれるゆえん、、、
ひとつでも、お客様がいい思い出を作ってもらえればという
接客の心遣いの深さが随所に見られた。
プライドを持って、一つ一つ手を抜かず、仕事をし続けている大森さんだった。
毎日、丁寧に車体を洗う。車両の消毒をして感染予防を心がける。
―リスクと隣り合わせの仕事だが、それでも運行が求められる。
必ずバスが来てくれると当てにされている。それが一番の私たちの仕事、
地味な作業をこつこつ続ける、一日一日の積み重ね、それが信用。―
―交通網が動かなくなってしまうとやっぱり困りますから。
当たり前の生活がどんなに大事か、皆さん思ってると思うんですよ。
それぞれの生活をしていただいていて、そういったそれぞれの中で、
自分たちの車がこうやって回っていれば一番いいのかな。―
―仕事が嫌になったことがない。いやだなぁと思ったことは一度もないんですね。
やめようと思ったこともない。腰が痛いとかそういうことはあるんだけど、
決してやめようかななんて思ったことはない。―
当たり前の日常を守るのは、そう簡単な事ではない。
その温かい話しぶり、誠実で、謙虚な人柄に引き込まれて、あちこちの
傷の痛みも忘れて見入ってしまった