小さな図書館のものがたり

旧津幡町立図書館の2005年以前の記録です

「センス・オブ・ワンダーの図書館」と呼ばれていた旧津幡町立図書館。2001-2005年4月30日までの4年間、そこから発信していた日々の記録「ひと言・人・こと」を別サイトで再現。そこでは言い足りなかった記憶の記録が「小さな図書館のものがたり」です。経緯は初回記事にあります。

ミャンマーからの留学生

彼は大丈夫だろうか?

2月1日からのミャンマーのクーデターの情報を見聞きするたびに、
その国のたった一人の知り合いの安否が気にかかる。
23年も前に出会ったミャンマー人の学生さん。

国際交流員のマキシンさんが帰国後、
県内在住の留学生を対象に「国際交流ボランティア」を募集した。
1998年の夏、町内にある国立石川高等専門学校の紹介で、二人の留学生、
ティン・サンさん(ミャンマー)とノル・サリムさん(マレーシア)が応募。
日本語の勉強にもなるし、刺激も受けると喜んでくれた。

夏休みの間、寮から自転車に乗って楽しそうに図書館に通ってきた。
エプロン姿でカウンターで応対したり、子どもたちと仲良くなったり、、、
そんな和やかな光景を撮った一枚の写真が、
なんと、県のボランティア写真コンクールで入賞したのだった。

 「図書館で町の人たちと交流できてほんとうによかったです。
  図書館を外から見ると小さく見えますが、非常に活動的で
  素敵な図書館だと思います。」 

こんな言葉も嬉しい。
春には別の大学へ進学することになったふたり。
ミャンマーとマレーシアの絵本や関連本、世界地図などを展示して、
3月13日、彼らをゲストに「出会いの夕べ」を開催した。

☆…《出会いの夕べ~ミャンマー&マレーシアを知ろう》参加者の声…☆

  第11回の出会いの夕べに参加いたしました。
  今回初めての参加でしたが、とても興味深く、心暖まるひとときを
  過ごすことができました。異文化を知り、交流できるこのような機会を
  ありがとうございました。またこのような機会をもってもらえたらと思います。
  留学生の方の眼がとてもきれいだったのが印象的でした。(いけだまさのり)
                  

 … ・ … ・ … ・ … ・ … ・ … ・ … 

22日には、ミャンマー全土で数百万人規模のゼネストが行われ、
犠牲者が相次いだと報道されている。
抵抗のサイン!三本指をかざしデモ行進する人々。
市民不服従運動、不買運動を展開する人々。
テレビ、インターネットが遮断されても別の方法を見つけて発信する人々。

昨日の太田さんの「つぶやき英会話」のテーマは「ミャンマーで何が?」
市民たちが一番恐れているのは、みんながミャンマーのことを忘れて
しまうこと、世論が違う話題に関心が移ってしまうことだという。

町の図書館には、ティンさんの残したミャンマーの絵本が今もある。
彼は元気だろうか?どうしているだろうか?
ミャンマーのことを考えずにはいられない。

旧津幡町立図書館の記録「ひと言・人・こと」はこちらです。