小さな図書館のものがたり

旧津幡町立図書館の2005年以前の記録です

「センス・オブ・ワンダーの図書館」と呼ばれていた旧津幡町立図書館。2001-2005年4月30日までの4年間、そこから発信していた日々の記録「ひと言・人・こと」を別サイトで再現。そこでは言い足りなかった記憶の記録が「小さな図書館のものがたり」です。経緯は初回記事にあります。

車いすテニスの魅力

五輪に続き、コロナ感染拡大が懸念されたパラリンピック
祈る想いで観戦した。

パラリンピックのシンボルマークは、赤、青、緑の「スリーアギトス」。
「アギト」はラテン語で「私は動く」、
あきらめずに挑戦を続ける精神を表現しているそうだ。

* * *

国枝慎吾さんをずっと応援している。
あのフェデラージョコビッチ選手が
トップアスリートと讃えている国枝さん。

パラリンピック優勝!!
冷徹ともいえる厳しい表情で闘い続けた国枝さんが、
その瞬間、笑顔と共に、顔をくしゃくしゃにして、
こらえきれず号泣した。

主将としての重圧はいかばかりだったか。
俺は最強だ!と自分に呼びかけながらも、
これまでに何度も引退を考えたという。
常に挑戦し続けてきた国枝さんの胸中、
はかりしれない苦労、努力と忍耐を思い、
もらい泣きした。

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3年前、車いすテニス講習会・体験会に参加して、
初めて車いすテニスを体験した。
ラケットを持ちながら車いすを動かすのは至難の業だった。
ボールに追いつくことすらできなかった

 

「みんなにこのスポーツのファンになってもらうかが一番大事」
「僕自身が勝つことで、ちょっとでも貢献できたかな」

どこまでもボールを追う、みごとなチェアワーク!
車いすテニスの魅力を多くの人が知るきっかけになった。
彼の願いは十二分に届いたと思う。

* * *
 
町協会主催の《つばた Toiya Tennis Festa》という大会がある。
亡き問谷武洋さんを偲んで、これまでに22回を重ねている。
ジュニア育成&車いすテニス支援を目的にした大会である。
ジュニアたちは、車いす選手たちの試合を見学しつつ、
交代でボールパーソンを務める。

この大会の発足は、夫が問谷さんと共に、
TTC(吉田記念テニス研修センター/千葉県柏市)を見学して、
そのすばらしい理念、施設に衝撃を受けたことが発端だった。

TTCとの親睦交流も実現、
協会員はTTCの「文化の高さ」を肌で感じる恩恵を得て、
私も数回この遠征に参加した。

* * *

国枝さんは小学6年生の時、このTTCでテニスを始め、
今もホームコートとして練習されている。
2006年には、その2年前のアテネパラリンピックで優勝した
齋田悟司さんと国枝さんに会えて、握手してもらって、
大喜びした私たち。

私のとっておきのテニスバッグには、
その時の国枝さんと齋田さんのサインが残っている

旧津幡町立図書館の記録「ひと言・人・こと」はこちらです。