小さな図書館のものがたり

旧津幡町立図書館の2005年以前の記録です

「センス・オブ・ワンダーの図書館」と呼ばれていた旧津幡町立図書館。2001-2005年4月30日までの4年間、そこから発信していた日々の記録「ひと言・人・こと」を別サイトで再現。そこでは言い足りなかった記憶の記録が「小さな図書館のものがたり」です。経緯は初回記事にあります。

十五夜の満月

昨晩の部分月食、幻想的でしたねぇ。
午後6時過ぎにほぼ皆既月食となって、
一時間後には下半分が明るくなって、
二時間ほど過ぎると、もう十五夜の満月でした。

夜風は思ったより肌寒くて、あったかいブランケットを纏って、
いつまでもこのまま空を見上げていたいきもちでした。

* * *

小さな図書館の頃、夏休みイベントとして、
何回か「であい講座~星空入門」を開催しました。

図書館のイベントお知らせを見た方からのありがたいお申し出が
あって、広場には天体望遠鏡まで設置されたことがありました。

ねぇ、あの夜のこと、覚えてる?

さすがに、昔のスタッフも記憶がおぼろげになっていたけれど、
みんなでわいわい楽しかったですね~
月と赤、黄、、、の「宝石箱」が見えてすごかったですね~
と懐かしむ。

「宝石箱」のように美しいといわれるその星は、
はくちょう座のくちばしの星《アルビレオ》。
ひとつの星に見えるけれど、望遠鏡で見ると、実はふたつ星。

宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』にも出ている、
「眼もさめるやうな、青宝玉(サファイア)と黄玉(トパース)」

* * *

みんな一列にぞろぞろ並んで、
小さい子は台に乗って、順番に望遠鏡をのぞく。
月のクレーター、ふたつの星に歓声、、、

何年のことだったか、
住吉公園だったか、幼稚園の園庭だったか、
町の様子も変わってしまって、場所さえ曖昧ですが、
こどももおとなも一緒に、時間がたつのも忘れた思い出、
美しい月夜のできごとです。

旧津幡町立図書館の記録「ひと言・人・こと」はこちらです。