3月6日のほっとニュースは
福音館の絵本『あさいち』復刊!
最盛期の輪島の朝市が描かれた絵本です。
金沢生まれの福音館書店さんが
被災地の支援を摸索されている中
「復興を願って復刊してほしい!」との声が
多数寄せられたこともあいまって
44年ぶりの復刊となったそうです。
被災地を想って
この絵本を思い出してくださった方たちがいて
出版社へ伝えてくださる方たちがいて
たいせつな絵本が蘇ることができました。
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『あさいち』は月刊絵本「かがくのとも」の1980年1月号(130号)。末っ子(息子)が5歳の時の絵本です。「こどものとも」も「かがくのとも」もほとんど孫たちに譲ったので、家にはないものと思っていたのに、ある探しものをしていたら、二階の押し入れの本棚の隅っこからひょっこり…にわかには信じられず…不思議です。
【絵】は、大石可久也さん
素朴で温かい絵です。
思い思いに並べられた海の幸、山の幸も
人も、道具も、ひとつひとつが
とてもていねいで細やかで
楽しげな会話まで聞こえてきそうです。
電気屋、クリーニング店、漆器店、銘酒、
LPガス、石油ストーブ、消火器…の文字。
垣間見える日常のしあわせな日々。
【かたり】は、輪島・朝市の人びと
こうてくだ、こうてくだ
ぶりと かにと たこと いか。
さっきまで うみで およいどった。
けさ おらちの ふねで とってきた。
とれたてやぞ。
…
みずなでも ねぎでも いらんけ。
この さぶいひに ゆきのしたから
とってきたげね。
…
…
もう なんねん こうして
すわっとるやら。
ああ うれた、よかったな、で
まいにちが すぎてしもうわ。
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「朝市は、海でとれたもの、畑でとれたものを持ちよる商いの場。そこには潮のかおりと土のにおいがたちこめていて、人びとにとって楽しいおしゃべりと社交の場でもあります。石川県「輪島朝市」の活気ある風景を描いた、1980年刊行の本作品。令和6年能登半島地震で大きな被害を受けた被災地の、一日も早い復興への願いを込めて復刊します。本作品の利益は、能登半島地震災害義援金として、日本赤十字社に寄付いたします。」ー福音館書店ー