小さな図書館のものがたり

旧津幡町立図書館の2005年以前の記録です

「センス・オブ・ワンダーの図書館」と呼ばれていた旧津幡町立図書館。2001-2005年4月30日までの4年間、そこから発信していた日々の記録「ひと言・人・こと」を別サイトで再現。そこでは言い足りなかった記憶の記録が「小さな図書館のものがたり」です。経緯は初回記事にあります。

創刊50周年特別号『母の友』~壁の中のしあわせと腐敗~&梶井先生の言葉

8/27(水)☆《マタニティサロン》で母親になる方たちに紹介している本の中の一冊に、福音館の『母の友』があります。安価で、気軽に読め、しかも身近なテーマ、豊かな内容と理念が詰まった『母の友』は、名前の通り母親のよき「友」となり得る上質の雑誌。三十数年前の子育ての時期(当時150円)、実は私も愛読者の一人でした。『母の友』は若い母親にとって、広い世界を知る窓口でもありました。

9月号は創刊50周年特別号、「壁の中のしあわせと腐敗」と題して、1961年1月号に掲載された医学博士・松田道雄さんの記事が再録されています。「個人の幸福」は必要だけれど、その壁を丈夫にするだけでは幸福は守れない。社会の腐敗からまぬかれることはできない。自分だけの幸福を守っているうちに、憲法が「改正」され、徴兵令がでて・・・と、松田さんは危惧します。「うちの子だけが」という思想を考え直し、みんなで手をつないで、公共の広場にでましょう・・・と、42年前の呼びかけです。

 

☆『金沢学院大学紀要創刊号』に、小島邦子教授による報告書《「北陸婦人問題研究所」:梶井幸代の石川の女のエンパワーメントをめざす生涯教育実践の足跡》が掲載されています。梶井幸代先生の理念と実践、北婦研のこれまでの活動が詳細にまとめられています。「平和都市宣言」成立への陳情の項では、戦争は「何気ない日常のくらしの中に要因や準備がしのびこんでいるのです。庶民が気が付く時はもう土壇場なのです~」と訴え、平和のとりでは一人一人の心の中で築かれていかねばならない・・・と、16年前の言葉です。

 

先日届いた北婦研の会報『かいほう』第65号には内灘闘争50周年記念日に寄せて書かれた梶井先生の巻頭文「むしろ旗」、また特集として「イラク戦争に思う」のテーマで津幡町在住の水野スウさんの文も掲載されています。鍋岡さんが読後感を記された桐初音(とう・はつね)さんの歌集『駒草の露』は梶井先生から頂戴して、図書館に所蔵しています。

旧津幡町立図書館の記録「ひと言・人・こと」はこちらです。