ブログを読んだ友人が紹介してくださったのは、石垣りんさんの《虹》。
五冊目の詩集を作りたいと、亡くなる半年前から強く願っていたという
りんさんの想いに応え、未刊詩350編の中から40編を選んで出版された
『レモンとねずみ』(童話館/2008年)の中の一編です。
☆《虹》☆
虹が出ると
みんなおしえたがるよ
とても大きくて
とても美しくて
すぐに消えてしまうから
ためておけないから
虹をとりこにして
ひとつ金もうけしようなんて
だれも考えないから
知らない人にまで
大急ぎで教えたがるよ
虹だ!
虹が出てるよ
にんげんて
そういうものなんだ
虹が出ないかな
まいにち
虹のようなものが
出ないかな
空に。
虹に感動して、知らない人にまでおしえたがっていたあの日の私を、
ベレー帽かぶったりんさんが、ほらね、そうでしょ、とにっこり…。
りんさん、私は「にんげん/そういうもの」でよかった~。
『私の前にある鍋とお釜と燃える火と』は39歳の初詩集、
そして『表札など』「略歴』『やさしい言葉』の四冊の詩集を残して
2004年、84歳で亡くなられたりんさんでした。
五冊目の詩集の終わりには、親しくされた谷川俊太郎さんと茨城のり子さんの
弔辞も掲載されています。。。もうすぐ命日の12月26日です。