小さな図書館のものがたり

旧津幡町立図書館の2005年以前の記録です

「センス・オブ・ワンダーの図書館」と呼ばれていた旧津幡町立図書館。2001-2005年4月30日までの4年間、そこから発信していた日々の記録「ひと言・人・こと」を別サイトで再現。そこでは言い足りなかった記憶の記録が「小さな図書館のものがたり」です。経緯は初回記事にあります。

たまご記念日

卵が立った!

今まで、一度も試してみなかった。
試してみようと思ったことさえなかった。
夫が出かけた今のうちに、
ゆっくり、落ち着いて、集中して、息を止めて、、、

なんと、一瞬にして!
卵が立った。
記念写真を2枚、パチリ!!


『雪を作る話』(中谷宇吉郎平凡社ライブラリー/2006)の
立春の卵」(昭和22年4月1日)には書かれていた。
 立春でなくとも、卵は立つのが当たり前だと。

 …少し根気よくやって、中心をとることさえできれば、
  大抵の卵は立派に立つものである。

 …何百年もの間、世界中で卵が立たなかったのは、
  皆が立たないと思っていたからである。

 …人間の眼に盲点があることは、誰でも知っている。
  しかし人類にも盲点があることは、余り人は知らないようである。
  立春の卵の話は、人類の盲点を示す一例である。
  卵が立たないと思うくらいの盲点は大したことではない。しかし...
  
  
卵は立つ、とは聞いてはいたが、この本を読むまでは、
自分で確かめてみようと思ったことはなかった。

それではと、人間の眼の盲点も確かめてみた。
盲点を見つける図で、指示されたとおりにやってみると、
たしかに、点が消えたり線が繋がったりした。

 …人間の歴史が、そういう瑣細な盲点のために著しく左右される
  ようなこともありそうである。

同じようなことがほんとにありそうだと思う。
中谷宇吉郎の本、もっと読みたくなって、
青空文庫にもしや、と探してみたら、ありがたいことに166冊!
これなら、返却期限を気にせずにゆっくり読める。

卵は(当たり前なのかもしれないけれど)まだ立ったまま~~
と、お利口さんの卵を横目で見ながら、半ば安心して、
ブログに集中し始めたら、急にゴロゴロ音がして、卵は床に!
今夜のメニューは天婦羅にしよう。

旧津幡町立図書館の記録「ひと言・人・こと」はこちらです。