今日の宮沢賢治の読書会は『二十六夜』を輪読しました。
「梟」の世界の物語にすっかり引き込まれてしまいました。
6月24日の晩、林の中で、梟たちが集まって、
お坊さんの読経、お説教をしいんとして聴いています。
25日の晩は、梟たちの様子が昨夜と違います。
三兄弟のなかの一番おとなしい子が、
人間の子どもにつかまってしまったのです。
脚を赤い紐で結わえられ、逃げることができません。
和尚さんはこんな言葉をかけます。
「…あんまり泣けば心も沈み、体もとかく損ねるじゃ。
…今、ここへ来て、はじめてとまった処じゃと、いつも
気軽でゐねばならぬ、」
お母さんは、
「いのちのある間は朝夕二度、
わたしに聞こえるやう高く啼いてくれ、」
そして26日、、、、、、、、
あまりに切なく、哀しい物語でした。(青空文庫でぜひ!)
今回初めて!の作品と思い込んでいましたが、
帰宅して《ひと言・人・こと》を開いて、もうびっくり!
自分のいい加減な記憶に呆れてしまいました。
2004年6月3日、『二十六夜』の読書会が記録されていたのです。
小さな「みんなのへや」での読書会。
記憶の断片が少しずつ蘇り、
そういえば、ワークショップ形式だった、
今は亡き押切存さんがお坊さん役だった、
お経の声、フクロウたち、、、ナレーターは誰だったっけ。
記憶はしだいに薄れ、消えていってしまったように見えても、
実は、心の奥の隅っこにちゃんと住んでいるのかもしれません。
今日の終わりに、参加者のみなさんから伺った別れの物語も、
不思議な、心打つお話ばかりでした。