小さな図書館のものがたり

旧津幡町立図書館の2005年以前の記録です

「センス・オブ・ワンダーの図書館」と呼ばれていた旧津幡町立図書館。2001-2005年4月30日までの4年間、そこから発信していた日々の記録「ひと言・人・こと」を別サイトで再現。そこでは言い足りなかった記憶の記録が「小さな図書館のものがたり」です。経緯は初回記事にあります。

ボランティア型のリクエスト

リクエストで入ったステキな本!!

☆この美しさはほかにない
☆いとおしい
☆数奇な運命
☆Very cute
☆静かに立つ
☆とにかく手がすごい!
☆なんという存在感
☆悲しみの忿怒
☆だいじょうぶ

… … …

思わずわくわくしてしまう、53の不思議なキャッチフレーズ!
半蔵門ミュージアム館長・西山厚さんの『仏像に会う』(2020.10.19ウエッジ)
《53の仏像の写真と物語》です。

12月の読書会「賢治を読むつどい」の後、2月までお別れということもあって、わいわいと賑やかな輪ができました。Sさんが披露していたのは、ある講座のテキスト。講師の西山先生のお話も写真も本当に魅力的なのだそうです。

自分は所有しているけれど図書館にあったらいいな、他の人たちにも紹介したいなって思う本、面倒かもしれないけれどぜひリクエストしてほしい!とお願いしたのです。こんなボランティア型リクエスト(?)、ほとんどの人が知らないかもしれません。
リクエストは成功して、現在、金沢、野々市、津幡の3館に所蔵されています。

この本がきっかけで、YouTubeで「西山教授の仏教よもやま話」を見つけました。明恵上人に似ていると言われている優しそうなお顔、ユーモアたっぷりの語り口。。。講演会には2時間待ちの行列ができたり、いわゆる“追っかけ”さんまでいるというのもなるほどでした。

先日は第2弾~~Sさんお薦めの『仏教発見!』(西山厚/講談社現代新書/2010.8第五刷)をお家から持ってきてくださいました。

「…私は僧侶ではない。どの宗派にも属していない。どの寺の檀家にもなっていない。仏教の信者でさえないのかも知れない。仏教は東洋が生んだ深い智慧であると私は考えている。この本は仏教の教義を説くものではない。仏教の体系を語るものでも、仏教の歴史をたどるものでもない。きわめて個人的な仏教への思いをお話しするだけの、ささやかな本…」だそうですが、「すべてはつながって、支えられ、めぐりめぐって、わけがあって、存在している」ことを感じさせてくれるすばらしい一冊でした。

もしや、この本、図書館にもあるかもしれない、、、と探すと、県内では、津幡、石川高専、加賀市の3館。なんと2004年11月20日初版!です。
ほっとして…嬉しくなって…書庫から引っ張り出してもらいました。

それにしても、Sさんは、どうやって『仏教発見!』に出会ったのだろうか。
これまでの17年の間に、どれだけの人がこの本を手にしたのだろうか。
いつまでたっても図書館LOVE!の私です。

旧津幡町立図書館の記録「ひと言・人・こと」はこちらです。