一昨日の中日朝刊13面の記事(島崎勝弘記者)にときめいた。
「ヤツガシラ おすそわけ~内高松の山本さん大豊作」
ヤツガシラの畑で収穫したばかりの茎を持って
ニコニコしている山本誠次さん(84歳)の写真。
「友人知人にプレゼントし喜ばれている」「おいしいと好評」
「取りに来ていただければ、無料でおわけしたい」
* * *
ヤツガシラの茎、ずいきを使った「すこ」は福井の郷土料理。
お祭りに欠かせない、小さい頃からの私の大好物。
友人のちぃさんを誘って、さぁ出発。
電話の申し込みとカーナビ代わりはちぃさん、私は運転手。
小さな図書館のスタッフだったちぃさんが、
私が忘れてしまった思い出を、
記憶の底から引っ張り出してくれる…
そんなことがあったっけ、そうそう、そういえば~
懐かしい思い出に浸りながら、
楽々と目的地に到着するはずだったけれど、
目印の施設をちぃさんは思い違いしていたし、私も知らないし。
とうとう、農作業しているおじさんをなんとか見つけて教えてもらう。
秋の陽ざしは爽やかで、行き交う車もほとんどないし、
ゆったりドライブはこんなハプニングもまた楽しい。
ぐるぐる回って、、、
今度はあそこで聞いてみようか~と、
偶然車をとめたのは、なんと!山本さんのおうちの前だった。
ずいきは細長い袋にいくつも用意され、 来訪者に一袋ずつ、奥さんがにっこり手渡してくださる。
実は畑も見たいんですが…と興味津々の私たちを、
写真のままの山本さんが快く近くの畑まで案内してくださった。
とある民家の前庭…一歩入ると!
そこはワクワクするような、まるで秘密の花園ならぬ秘密の農園。
お庭の奥の奥に広がっていたのはあのヤツガシラ畑。
そして、丈2メートルはあろうかと思われるサトイモ畑。
水をたっぷりもらって大きく育って、葉はおよそ80㎝×60㎝!
雨傘にしたくなるような葉っぱたちにふたりで歓声をあげた。
21歳から始めて50年間続けられたという製麺業、 平成17年、平成の合併という時代の流れもあってやめられたという。
3ヵ所、合わせて2千平方メートルもの畑、一人で作っている野菜は全て、
親戚や知り合い、いろんな人に分けてあげているんだとか。
「これまでにたくさんの人に世話になってきた、
こうして生きてこられた感謝、恩返しのきもち…」
山本さんの言葉に感動した私たちだった。
11月にまたどうぞと声をかけてくださった。 その頃、また別のステキなことが待っているらしい。
* * *
小さな図書館の「分かち合い」を思い出す。
つぎつぎと季節の野菜や果物が持ち込まれた。
立派なカボチャやみごとなシイタケ
…珍しいものは展示&クイズで当選者に。
新鮮な胡瓜、茄子、柿、柚子、蕗の薹
…入り口やカウンターに置くと、
ほしい方たちが自由に持ち帰った。
南極の氷を分けたこともあった。
図書館は「分かち合い」の場所だった。