3月7日、《時をかけるテレビ》で
「風の電話~残された人々の声」をみました。
東日本大震災から5年後の2016年放送の番組です。
https://www.nhk.jp/p/tokikaketv/ts/WQGK99QWJZ/episode/te/7QM9RXZ9ZL/
ゲストのいとうせいこうさんは、出ている方々に尊厳を感じ、
余計なことはしゃべれないきもちだとコメントされています。
《つるひめさんのブログ》にこの番組が紹介されていて
背中を押していただいたようなきもちでメモをまとめました。
どうぞ再々放送がありますようにと願いつつ。
☆~☆~☆
岩手県大槌町の被災地の海を見下ろす丘の上、
白い電話ボックスがぽつんとあって
中には黒いダイヤル式電話がひとつ。
電話線のない不思議な電話です。
線ではつながらない帰らぬ人への想いを
風にのせてつなげることができる「風の電話」
設置したのは佐々木格さん。
震災でたいせつな家族を失って
あとに残されたひとたちが(海外からの訪問者も)
お祖父ちゃん、お祖母ちゃん、お父さん、お母さん、
夫、妻、子ども、、、に電話で呼びかけます。
“いつもね、車がくると、帰ってくるかな-と思って”
“みんなそれぞれにがんばってる。あんたも安心して”
“もしもし、どこにいる このさむいのに風邪ひいてないか ばあちゃんも いっしょか はやくかえってこ どこでもいいから生きてろ さみしいぞ-”
“ときどきなんのために生きているんだか わからなくなるときがあるんだよ”
“ごめん、助けてあげられなくてごめん”
“・・・・・”…(なにも言わずにたたずむ人もいる)
風にのって伝えられた切ない想い。
これまでに4万5千人を超えるひとたちが
「風の電話」を訪問したそうです。
簾くん(15歳)は、どうしてもお父さんと話したくて
青森県の八戸から「風の電話」を探してやってきました。
トラックの運転手だった父親は
大船渡のところで津波に遭って今も行方不明です。
“父さん、、、みんな4人とも、家族全員でがんばってるから心配しなくていいよ。
お父さんは元気?聞きたいことが一つ…なんで死んだんだよ、なんで…
とにかくさっさと見つかってよ。ねえ、今どこにいるの。なにも見つかんないだけど。おかあさんが一番悲しんでるからさ。お父さんがいなくなって一番つらいのお母さんだからさ” “最後くらいさ、話がしたかったよ”
家に帰って、
簾くんはお母さんに「風の電話」のことを
ぽつりぽつり報告します。
つながってないから、
だからかけてもつながらないんだけれど、
父さんに話しかけたことや
話したいことがいっぱいあること。
小学生の陸くん。中学一年生の鈴さん。
そして保険の外交員をしながら子どもを育ててきた母親。
4人家族、互いを気づかいながら過ごした“5年”
あれからもう5年と言われるけれど、
うちらにしたらまだ5年しか経ってないとひとみさん。
家族一緒に過ごす時間がふえたけれど、
誰もお父さんのことを口にしないそうです。
・・・・・
簾くんの誘いで、
家族そろって「風の電話」を訪れました。
簾くんのあとに、
陸くんと鈴さんは二人一緒にボックスに入りました。
お母さんはひとりで入りました。
それぞれに抱えていたいっぱいのきもちを、
あふれる涙をぬぐいながら電話で話しました。
末っ子の陸くんも、
とうとうこらえきれずに泣き出しました。
話して、泣いて、
初めて心を開いて、会話ができた家族。
父親の死を受け入れ、希望をもって、
力を合わせて生きてゆこうとする母と子でした。
☆~☆~☆
*つるひめさんのブログで絵本を知りました。
『かぜのでんわ』(いもとようこ/金の星社/ 2014/2)
*『風の電話』(佐々木格/風間書房/2017.8)
「風の電話」のなりたちから現在までの活動を、著者自らの言葉で綴る。
県内の11館の図書館に所蔵。