小さな図書館のものがたり

旧津幡町立図書館の2005年以前の記録です

「センス・オブ・ワンダーの図書館」と呼ばれていた旧津幡町立図書館。2001-2005年4月30日までの4年間、そこから発信していた日々の記録「ひと言・人・こと」を別サイトで再現。そこでは言い足りなかった記憶の記録が「小さな図書館のものがたり」です。経緯は初回記事にあります。

「つばた昔むかし」~大坂喜久治さんのおはなし~

4/12(土)☆11時~「つばた昔むかし~じぃちゃんの昔話~」は81歳になられるという大坂喜久治さんをゲストに九折(つづらおり)の昔話を語っていただきました。子どもたちやお母さん、お父さん、20人程の人たちが集まる中、大坂さんはにこにこしながら、味のあるあったかい口調で語ってくださった。

いつもお話の始まりには、みんなで「お山の杉の子」の節でテーマソングを歌うのですが、その中にある「~ひい、ふう、みい~」という箇所で、昔、大坂さんが子どもだった頃、「こんかいわし(米糠鰯)」を売りに来た行商のおばさんとのやりとりの話を教えてもらいました。

「あの味は美味して忘れられん。熱~いご飯に糠をかけて食べるのが何ともいえん。その糠をたっぷりおまけしてもろたと喜んだけんど、後で数えてみたら、九匹や。一匹足りん。ひいや、ふうや、みいや~なあや、こおや、とおや…と、ごまかされてしもて」

伝え聞いた話、知っている話の中から『原のおサル』、『藤又の峰山神のヒヒ退治』、『大窪の椀かせ』、『八伏のカニ退治』、『九折の峠のカンサマ』など次々と語ってくださった。

大坂さんは、昭和60年発行の『九折誌(つづらおりし)』の著者でもあります。昭和13年から書き続けられた日記をもとにまとめられた一冊は貴重な記録となり、郷土を愛してやまない人柄が滲み出ています。発刊に寄せて高山精一さんが紹介された5年6ヶ月にわたる戦線日記、ワープロでまとめられた『戦線と抑留』も預かっています。(「つばた昔むかし」は隔月第2土曜日です)

旧津幡町立図書館の記録「ひと言・人・こと」はこちらです。