小さな図書館のものがたり

旧津幡町立図書館の2005年以前の記録です

「センス・オブ・ワンダーの図書館」と呼ばれていた旧津幡町立図書館。2001-2005年4月30日までの4年間、そこから発信していた日々の記録「ひと言・人・こと」を別サイトで再現。そこでは言い足りなかった記憶の記録が「小さな図書館のものがたり」です。経緯は初回記事にあります。

どまんなかフェスタ&知里幸恵生誕100年記念巡回展にて

9/7(日)☆図書館前のおやど商店街で「どまんなかフェスタ」がにぎやかに繰り広げられました。展示された石川高専建築科の学生たちが製作したさまざまな椅子を見てまわりました。

☆午後1:00~3:00、町で開催された講演会を聞いてから、金沢市文化ホールで開催中の「知里幸恵生誕100年記念巡回展~自由の天地を求めて~」へ車を走らせました。

19歳という短い生涯を終えたアイヌの女性、知里幸恵を偲ぶ展示の数々…4:00~5:00まで順にじっくり展示会場を回る。緻密なノート、葉書や手紙に書かれた筆跡の息を呑むほどの美しさ。

「親愛なる御父様御母様、ほんとうに久しぶりで手紙を書く事が出来て嬉しう御座います~」「愛する御父様御母様、お手紙を誠にありがたく頂戴いたしました。御両親様御壮健のよし、何よりも嬉しうございます~」…こんな書き出しで始まる長い長い手紙、びっしりと細かく書き連ねた文面には、彼女の細やかな情愛と優れた感性が満ち溢れていました。

実は平成11年3月の「文華」(発行:町文化協会)に『アイヌ神謡集』の一節と共に知里幸恵の業績について紹介したことがあります。言語学者/故岩井隆盛先生の寄贈書約4000冊を「岩井文庫」として整理している過程で、赤茶けて今にも破れそうな『アイヌ神謡集』(大正15年発行)を見出した時の思いを綴った拙文です。

その貴重な小冊子と共に携えていったお陰で、受付をしていた浅野さん、アイヌの八幡さん(関東ウタリ会)と親しく言葉を交わしました。おまけに、金子みすゞ生誕100年を紹介した「図書館だより春号」を持参したこともきっかけとなって、「生誕百年の出会い」として「軌跡重なる2人」が北海道新聞でとり上げられた記事を見せていただきました。(展示は明日まで)

閉館間際、最後の来館者は石川TVディレクターの赤井朱美さん。「あらっ」と互いに偶然の不思議に驚きながら、喜びながら。(明日は赤井さん制作のドキュメンタリーが放映されます)

旧津幡町立図書館の記録「ひと言・人・こと」はこちらです。