小さな図書館のものがたり

旧津幡町立図書館の2005年以前の記録です

「センス・オブ・ワンダーの図書館」と呼ばれていた旧津幡町立図書館。2001-2005年4月30日までの4年間、そこから発信していた日々の記録「ひと言・人・こと」を別サイトで再現。そこでは言い足りなかった記憶の記録が「小さな図書館のものがたり」です。経緯は初回記事にあります。

図書館にできることは?~開かれた町をめざして

10/14(火)休館日(館報編集作業)

☆「図書館。そう聞くと読書や勉学の印象が強いが、アメリカでは伝統的にビジネス発想のふ化器なのだそうだ~」
昨日の「中日春秋」にジャーナリストの菅谷明子さんの著書『未来をつくる図書館』が紹介されていました。

そのコラムに反応された方たちから早速メールが届きました。図書館に関心を持ち、図書館情報をキャッチしてくださる心強い方がどんどん増えているのを感じます。

菅谷さんは2年前の県図書館大会の基調講演「図書館の新しい役割」でアメリカの図書館について報告。公共図書館の仕事は、市民が必要とする情報(医療情報までも)を誰もが得られるようにすること、自由に使えるコンピューターやデーターベースがあり、年齢や人種を超え、市民のニーズを先回りしたさまざまな無料プログラムが用意されている・・・など、アメリカでの先進的な取り組みについて紹介されました。

企業や団体に所属している時には想像だにしなかった情報収集の不便さが切実な問題となって、菅谷さんは「図書館」に出会っていったとのことでした。近刊『浦安図書館にできること』(常世田 良・浦安市立図書館長)にも菅谷さんの講演会をきっかけに「ビジネス支援図書館推進協議会」が設立されたとのこと。しかし、日本のほとんどの図書館の状況は意識の面でもまだまだ遅れているのが現状です。

スペースの面をはじめとして、さまざまな面で問題を抱えている小さな図書館。できることの一つとしてハローワークの資料収集にも取りかかっています。が、新しい図書館になれば理想が実現するものでもありません。町をあげて、市民のために開かれた行政サービスについて考えてこそ、図書館は機能を発揮し、その限りない可能性を発揮できるのです。公的機関のどこかに(勿論、図書館にこしたことはないですが)、自由に使えるコンピューターがあって(タッチ画面ではなく)、プリントアウトでき(紙代など料金問題については早急に検討して)全ての人が平等に情報を手に入れるしくみを整えることも望まれることのひとつです。「図書館」の問題は、実は「自治体」自体が市民に開かれているか否かが問われる問題だと思います。

旧津幡町立図書館の記録「ひと言・人・こと」はこちらです。