12/15(月)休館日
☆昨日の朝日新聞の朝刊に大きく掲載されていた愛知川町立図書館長の渡部幹雄さんの『図書館を遊ぶ エンターテインメント空間を求めて』(中谷宇吉郎博士の『浦島太郎』も!・・・数日前にひと言でも紹介)は共感と共に更なる発見もいただいた一冊。
大分、長崎で二つの図書館を開館に携わった経験を踏まえ、緻密な計画のもと、滋賀県に上質でエネルギッシュな図書館を誕生させた渡部さんは、34項目にわたって問いかける。〈あなたが利用している図書館はどんなところ?〉…NTTとの共有部分(廊下、手洗い…)全てあわせても357㎡というあまりに小さなスペースのこの図書館で、その問に「はい」と答えられたのは???。
しかし、暮らしの中の図書館としてのあり方、職員の資質の問題、選書についての考え方をはじめ、その根底を流れる姿勢がいかに共通しているか、この本を読むことで自分たちの町の小さな図書館への信頼を更に深めてほしいと願わずにはいられない。図書館が決して特別なところではなく、空気のように当たり前の存在であること。そのためにも誰もが行きやすく使いやすい図書館であるのは当然で〈だれのための図書館〉であるかは明白なのです。
☆先日、祖濱賢太郎さんからご紹介があった『図書館に行ってくるよ~シニア世代のライフワーク探し』は図書館利用のベテランであると自認する近江哲史さんの著。利用者の側から図書館を探り、問題点も見つけ、貴重な提言もし、図書館理解へのPRともなる興味ある一冊。ハイレベルな利用者(図書館長に自薦するほどの実力者!)の存在に図書館員はうかうかしてはいられません。石川県ゆかりの「ライブライアン中田邦造の考え方」の項もあります。
ちょうど、当館が開館した翌年の1997年、県読書会連絡協議会から発行された小冊子『読書会と共に~中田邦造生誕百年特集号』には〈理想と考え得るべき図書館の姿とは、それが何よりも先に物的存在ではなく、社会的生命の働きそのものであることを忘れてはならぬ〉などの語録も集録、会長の梶井重雄先生の巻頭言も心に沁みるものであったことあらためて読み直すことになりました。
☆昨日の夜中の本は『人間としてどう生きるか』(渡辺和子著/PHP研究所)、はっとする言葉、だいじにしたい言葉にいくつもいくつも出会います。
☆明日からの「手づくり絵本・紙しばい巡回展」、明日の午前中に高松町から引継ぐことになるので、午後から展示予定です。