今日の中日新聞によれば、
いまだに断水は約22880戸、停電は約1100戸も。
それでも紙面には、復興、復旧にむけて
笑顔の写真が少しずつ増えてきています。
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エールを送りたい記事がありました。
“2010年創刊の季刊誌『能登』復刊への始動”です。
地震で予定していた「冬54号」は休刊となったが、
「春55号」発行に向けて準備を進めているとのこと。
編集長は経塚幸夫さん(70歳)、門前町のお寺のご住職。
「能登人」を深く掘り下げる編集方針を掲げてきたという経塚さん。
「変わり果てた能登を記録し、伝える」使命感でのスタートです。
ネットで、多田健太郎さん(多田屋6代目若旦那)が
発信されている『のとつづり』に、経塚さんを見つけました。
https://tadaya.net/nototsuduri/people/detail7/
“地産地消文化情報誌”を標榜し、
丹念な取材と洗練されたデザインで
地元の情報を発信する雑誌『能登』。
グルメ情報や観光ガイドにとどまらず、
その奥にある人々の想いや
農林漁業が抱える課題にまで目を向けた
能登の“総合誌”です…
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私の手元にあるのは『能登 2015年冬18号』
2015年4月23日、静岡からの友人たちと
藤平朝雄さんを訪ねた折に手に入れた冊子、
そこには、二つの「特集記事」が掲載されています。
~☆~☆~
特集Ⅰは、《輪島塗を支える職人のチカラ》
9人の方々が紹介されています。
椀木地師、指物木地師、曲物木地師、朴木地師、
塗師(下地)、上塗師、呂色(ろいろ)師、
蒔絵師、沈金師。
こうした多くの職人さんの分業による専門化が
「輪島塗」の高品質を支えているといわれます。
― 輪島塗は「髹漆(きゅうしつ)」の手順が130を超える。
その中で、仕上げの上塗へ行く前の「下地」の仕事は
手順の大部分の100以上を占める輪島塗の要の工程 ―
「塗ったら必ず磨く、研ぐ。これを繰り返すのが輪島塗です」と
稲木さん。【輪島地の粉】を漆に混ぜるのもその特徴。
中村敦夫さんが塗師屋の主を演じた
NHKの朝ドラ『まれ』では
その第一人者(当時75歳)の稲木正伸さんが
現場の指導を担当されたとか。
~☆~☆~
砥の粉(とのこ)、生漆(きうるし)、研ぎ炭、、、
生まれた家の商売柄、日常的に見聞きしていて
色もニオイも蘇ってくる遠いモノたち。
とっくに縁が切れたと思っていたのに
不思議なもので…
今となってはしきりに懐かしくてたまらない。
皆さまがご無事でいらっしゃいますように
能登が元気になりますように