小さな図書館のものがたり

旧津幡町立図書館の2005年以前の記録です

「センス・オブ・ワンダーの図書館」と呼ばれていた旧津幡町立図書館。2001-2005年4月30日までの4年間、そこから発信していた日々の記録「ひと言・人・こと」を別サイトで再現。そこでは言い足りなかった記憶の記録が「小さな図書館のものがたり」です。経緯は初回記事にあります。

新刊『いのちの音が聞こえる』&講演集『魔法のことば』

8/25(月)休館日    

☆『いのちの音が聞こえる』は、幼くして全盲になった三宮麻由子(さんのみや・まゆこ)さんの新刊です。

人との出会い、小鳥や動物、虫や草木、自然の仲間たちとの触れ合いに感謝する麻由子さん。“センス・オブ・ワンダー”を感じ、命あるもの全ての平等を訴える。小学校の頃の思い出の中で、5つ年下の従妹との〈鈴入り紙風船〉遊びが自分自身の抜けきれない心のバリアを、すっかり吹き飛ばしてくれた・・・今、人の心の奥底にまで自分のメッセージを伝えたいと願っている麻由子さんは、そのためにも自分のあらゆる心の障壁を取り去りたいと語る。音楽のこと、賢治のこと、留学でのこと、自分自身と向き合って、丁寧に書かれたエッセイに生きる喜びをもらいます。

☆この春に発行された『魔法のことば』は1996年8月8日、クマに襲われ急逝した星野道夫さんの講演集です。東京の中学校をはじめ、千葉、北海道、岐阜・・・1989年3月から1996年5月12日までの各地での10回の講演録・・・「はじめに」の星野夫人・直子さんの言葉、巻末の池澤夏樹さんの言葉にも、語り尽くせぬ<星野道夫>への想いが語られています。

 

池澤さんは言います。「~冬の炉端で、あるいは夏の夜に星空を見ながら、聞くべき話かもしれない。また、できればあなたは子供であった方がよかったかもしれない~これは彼が語ったところを本にまとめるという変則的な成り立ちの本である~彼の声の響きを正しく耳に蘇らせるには、普通の本とは違う読みかたが求められる。まず、ゆっくり読むこと~次に、一度にたくさん読んではいけない。彼は本当に大事なことしか言わなかった。そして本当に大事なことは何度でも言った~」

 

これほど念を押されたにも関わらず、、、私は星野さんの語りに心奪われ、とうとう一気読みをしてしまったのでした。星野さんを追いかけて・・・山梨県まで。

旧津幡町立図書館の記録「ひと言・人・こと」はこちらです。