小さな図書館のものがたり

旧津幡町立図書館の2005年以前の記録です

「センス・オブ・ワンダーの図書館」と呼ばれていた旧津幡町立図書館。2001-2005年4月30日までの4年間、そこから発信していた日々の記録「ひと言・人・こと」を別サイトで再現。そこでは言い足りなかった記憶の記録が「小さな図書館のものがたり」です。経緯は初回記事にあります。

いのち

34年目の『いのみら通信』最新号

軍事的に中立路線を維持してきた北欧二ヵ国が、NATOへの加盟申請を表明した。束の間の70年で、世界は大きく変わりつつある。 * * * 5月13日発行の『いのみら通信 NO.115』にはウクライナの戦争を通して考えること、信念を貫いたバーバラ・リー議員のこと…

能登からの通信

巣作りに余念がない若いスズメたち。今年も、テニスコートを見わたすパーゴラの錆びた鉄骨の四方の穴に、カップルたちが出たり入ったりしている。鶯の声も竹藪あたりから聞こえる。 ウグイスって若草色でしょ?それはね、メジロ!、、、ブログで学んだ私は自…

《ひとりぼっちの映像詩》のお知らせ(今夜10:00)

今夜10時からEテレで《福島モノローグⅡ》が再放映があります。心に留めたい番組、ぜひご覧いただきたくて、急ぎお知らせします。 東電福島第一原発から15キロ圏内にある富岡町にとどまり、電気も水も止まった故郷で、ひとり闘う松村直登さんのドキュメントで…

『ペリリュー -楽園のゲルニカ-』①~⑪読了

リクエストの本を受け取りに図書館へ。2月27日のブログ《戦争は悲劇です》で紹介した穴水図書館蔵の『ペリリュー』(武田一義/白泉社)最後の、9、10、11巻です。 副タイトルは《楽園のゲルニカ》原案協力は平塚柾緒さん(太平洋戦争研究会)30冊近くに上る…

『 For Sama 』

爆撃でことごとく破壊される街ロシア軍の戦闘機の爆音自由を求め、抵抗する人たち血まみれの負傷者、死者が次々に病院に運び込まれるその病院までもが、標的にされていく。 これは2012年4月~2016年12月のシリアの都市アレッポの映像。 NHK「ドキュランドに…

CDを聴きながら

最近まで元気そう、だったテニス仲間のMさんが59歳という若さで旅立ちました。大好きなテニスを楽しみながらの四年間の闘病でした。 テニスの練習の合間に、ふっとコートから姿を消してタケノコやら、ワラビやら、タラの芽やら、一抱えして戻ってきて、私た…

いま生きているということ

明日はゴミ収集日。小さなゴミ袋を出しに行ってふっと星を見上げていたら、谷川俊太郎さんの『生きる』があふれてきて、胸いっぱいになった。 この詩に出会ったのは20年前の第30回「出会いの夕べ」。 福井県三方町図書館の車いす司書さんの河原正実さんが語…

戦火の中で配信を続ける人たち

日常生活の中で突然起きたクーデター。ミャンマーの激変について知ったのは、《太田光のつぶやき英語》で見た一本の動画だった。 2月1日の朝、首都ネピドーの空き道路で、いつもどおりにエアロビクスに熱中している女性。その背景にとらえられたのは…広い道…

自由を守るために…ボグダンさんの言葉

ロシアのウクライナ侵攻を受け、中立国のスイスに続き、北欧二ヵ国が相次いでロシア制裁に参加を決断した。世界一幸福な国、フィンランドは娘たちが暮らしているところ。今、フィンエアーも飛べなくなった。恐れていたことが、やはり現実になってきた。 * …

戦争は悲劇です

次々に本を読んでいました。その中の二冊は、戦争を描いたもの。 ☆『ペリリュー ―楽園のゲルニカ―』(武田一義/原案協力:平塚柾緒(太平洋戦争研究会)/白泉社) 「第46回漫画家協会賞優秀賞」を受賞した作品でした。「可愛らしい温もりのある筆致ながら《…

私たちの新年ウォーキング~ことり

今年も二人だけでしたが、幸せにも、お正月らしくゆっくり過ごし、元気にウォーキングをすることもできました。 * * * 元日の午後は、恒例の森林公園へ。(新型コロナの前年までは、帰省した娘も一緒でした) 公園内の山道は積雪30㎝、持ってきた長靴に履…

《みるくぺーぱ》~風の旅~

☆図書館ではさまざまな出会いと、また、時には、別れもあります… 桜の花びらのような…Kさん…43歳… (『ひと言・人・こと』/2001.5.18)より *・・・*・・・* イニシャルのKさんは和代さん。 好物の食べ物は~? 好きな音楽のジャンルは~? いちばん好き…

《みるくぺーぱ》~透光の樹~

和代さんから渡された二枚のハトロン紙がある。A5サイズの褐色の紙に、横書きで、彼女らしい細かな文字が連なった読書感想文。1999年の春に書かれた一枚とおそらくその翌年頃の一枚。 20年、眠っていた彼女の想い…を ブログを始めたおかげで、こうして紹介で…

《みるくぺーぱ》~春の風のおもいで~

・愛車ヴィッツにかわり、これから(の数年…?) まっ白い軽のMが私をサポートしてくれる。 ・鉄砲撃ち名人のYさんが立派な自然薯を手に来訪。 これまで、年末になると熊や猪肉を頂くことがあったが、 92歳ともなり、とうとう現役を引退された。 ・森林公…

21年前の絵葉書

孫娘のフォトマグネット、《LINTU PIENI》の 歌詞、アメリカオオバンの新聞切り抜き、アストラさんの詩、冷凍大判焼きの解凍法、郵便局からのサービス変更のお知らせ、甘酒の作り方レシピ、町内入浴施設の無料券、、、冷蔵庫の扉は小さなものたちであふれて…

10年を想う

10周年の「この10年を一言でまとめると~」の特別お題にのっかって、つい簡単にまとめてしまったけれど、10年の日々を振り返ってみると、すんなりまとめられるものではないな~と、つくづく、、、しみじみ、、、思う。 2011年3月、10年前のあの日、ちょうど…

(その六)~つながった電話~

おもいがけない嬉しいことって? ブログを読んだ友人からきかれました。そうなんです、信じられないようなうれしいこと! * * * 賢治の読書会の前日のことです。それまでに三、四回、電話をしたけれど、呼び出し音ばかり。ほとんどあきらめ気分で、これで…

「100年のアトリエ」より

図書館の広々~したへやに六人、離ればなれの座席、みんなの声に耳を澄ませながら、図書館での久々の読書会「詩をたのしむ」。(先月、先々月はスウさんの紅茶で読書会)昨日も、心揺さぶるステキな詩たちに出逢いました。 まど・みちおさんの詩もありました…

手帳の色

ある方のブログに、来年用に見つけられたという素敵な手帳のことが書かれていた。一年間を共にするのですから、気に入ったものを選びたいですね。 * * *現在、私が使っている手帳は9㎝×17.5㎝。昨年の12月28日のブログに書いた図書館の年末のイベント《い…

ETV特集より~手さぐりの子育て日記

ETV特集はいつも関心をもって見ている番組です。 つい先日は、《遠藤周作 封印された原稿》だった。未発表の謎、父親との確執や、小説『沈黙』との繋がりも考察されていき、とても興味深かった。 * * *9月末に放映されたのは《のぞみ5歳~手さぐりの子育…

《雑木林のパンやさん》のものがたり

章子さんは魔女さん!もちろん、素敵な魔女さん。 息子さんのマー君とのこと、これまでのこと、いつか書こうと思ってるって伺っていたので、いつかな~と心待ちにしていたら、とつぜんマー君が旅立たれ、どんなに驚いたことか。 そして、その日から一ヵ月た…

座主さんとの思い出

いつかはお別れする日が来るとわかってはいたけれど、いつもの眼差しそのままのお写真に、いいようのない寂しさが募る。 あの美しい満月の夜、座主祝(ざす いわい)さんは、96歳の生涯を終えられた。静かに眠るように逝かれたそうです。3年前に先立たれた優…

版画家からのことば

『石仏カレンダー』をじっと眺めていて、はっと気づいたことがある。 上段の版画絵ばかりに気をとられていたが、下段の2ヵ月の1.3ミリほどの【1~31】も手彫りの黒数字。 休日は赤数字に黒の囲みの2色刷りで、なんとも味わい深い。この12ヵ月の細やかな作業…

ある記者さんとの出会い~熊田千佳慕の世界

実は、27日のブログの「ある記者さんとの出会い」には、嬉しい続きがあるのです。 * * * 大阪の詩人・里みちこさんの「出会いの夕べ」から一年。ふと目にとまった「笑ってがん吹っ飛ばせ」の記事は、北村記者取材のハートフルな記事でした。 4月14日、そ…

「隠ぺい」の体質

ウィシュマ・サンダマリさん、スリランカ女性、33歳。スリランカで大学を卒業後、子どもたちに英語を教えていた時、日本人の生徒と出あい、日本の文化に興味を持って、4年前、日本語学校の留学生として来日したという。 去年8月から半年余りの間、名古屋出入…

52ヘルツの声

もう何人かの人は回し読みしたらしい。昨日、ママ(町のテニス仲間からは、昔からこう呼ばれている)なら、一晩で読める!軽いよ!と、テニスコートで手にしたのは、今年度の本屋大賞第一位に選ばれた一冊、 『52ヘルツのクジラたち』(町田そのこ/2020.4.25…

文字は…光に

柳田邦男さんが次に訪ねた方は、第37回(2002年)に最優秀に選ばれた藤野高明さん、82歳。藤野さんの想像を絶する努力と忍耐、、、に衝撃を受けました。 「継続は力」「文字の獲得は光の獲得でした」 手記にあるこの言葉には、生きる希望と喜びが凝縮されて…

あ・か・さ・た・な、から始まった!

一ヵ月前にみた《作家 柳田邦男が読む「いのちの手記」》、人間の生きる力のすばらしさを伝える、心に深く残る番組でした。 「NHK障害福祉賞」はしょう害のある人や、ともに歩んできた人の体験作文を募集し表彰するもので、35年にわたってその選考委員を…

旧津幡町立図書館の記録「ひと言・人・こと」はこちらです。